« Pepiteの美的な日々:アフタヌーンティー | トップページ | ワーグナーの毒 »

2006/09/19

Pepiteの美的な日々:出番なし

 最近仲良しになったかわいい女の子のたえちゃんと、先日京都へ行った。彼女は私のブログの生真面目な読者で、とりわけ「悲劇のコレクション」の記事について、あれこれと私が思いもしなかった感想を聞かせてくれたり、「あの本買いましたよ」と、嬉しいことを言ってくれたりする。学生時代は心理学を勉強していたというだけあって、知的な話題にも事欠かず、正確な日本語で、興味深い話を聞かせてくれるなかなか利発な女の子だ。
 そんなたえちゃんが、ある日、何かの話の折に、京都の石庭を見てみたいと言い出した。親切な私は、「それなら有名な竜安寺なんかはどう?」と提案し、京都はあまり知らないという彼女のガイド役を引き受けて(というか、強引にその役におさまって)、小さな妖精さん(小柄で、めちゃくちゃかわいいんです)を伴って、出掛けることになったのだ。

Img_1978 「Pepite さん、私お寺のこととか何も知らないので、いろいろ教えてくださいね」と、かわいらしく言われた日にゃ、もちろんワタクシ、大いに張り切りますよ!!
 「大丈夫、私はその手のことに詳しいから。あなたにはちょっと退屈な説明になるかもしれないけど、なるべくわかりやすく教えてあげるからね」と、やさしく答えるのであった。
 その手のことに詳しくない私は、急いで準備にとりかかった。基礎知識を詰め込み、それが澱みなくすらすら口から流れ出るように練習を重ね、万全を期して「禅入門」の本を読んでおいた。そしてそこから、かっこいいところだけを抜粋して、竜安寺の石庭を前に、私が静かな口調で妖精に語りかける言葉の中にほどよく取り入れた。
 こうして私の「解説」は何かを付け加えたり、あるいは削ったりしながら改良を重ね、 完全な態勢を整えた。「Pepite さんって、本当に何でもよく知ってるんですね。一緒に来てよかった」と、妖精は私を見上げて言うだろう! 「素敵ですね」と言い添えるかもしれない。いや、言わないにしろ(言ってほしいが)、きっとそう思うだろう!

 そして本番。竜安寺の石庭を前に並んで腰掛けた私たち。静寂の中で石群の構成する美を鑑賞し、いまや私が効果的な口調で練習を重ねたセリフを語り始めようとしたまさにその時! 私の努力と思惑のすべてをぶち壊す悲劇に見舞われたのだった・・・・

「みなさま、これより竜安寺のご紹介をいたしますので、しばらくの間静かにお聞きください」
 振り向くと、ツアー客を引き連れた定期観光バスガイドの女性が立っていた。
ひえ~っ、やめて~!!

 私の心の悲鳴もむなしく、おせっかいなガイドが語り始めたのだった。
Img_1974_ 「この竜安寺は、宝徳2年に徳大寺家の別荘を譲り受けた細川勝元が・・・・・みなさまご覧の石は左から順に数えますと・・・・・というふうにどこから眺めても必ず見えない石があるような設計に・・・・・また見る人によってはこの石群の造形を雲海と感じたり・・・・・禅の思想とのつながりなど、様々な解釈が・・・・・・起伏をつけることによって流れを表し、遠近法を用いているわけです・・・・・(等等)・・・・・・」
 果てしなく続くガイドの解説に蒼ざめる私の横には、その説明にいちいち感心し、ガイドが指差す方を眺めて、小さくうなずいたりするかわいい妖精の姿があった。

 こうして何もかもをめちゃくちゃにしたその一行が去って行くと、「たまたまツアーの人たちと一緒になって、説明が聞けてよかったね」と、私の隣で小妖精が嬉しそうにつぶやいた・・・・・・。


                          ※

Img_1993__1  たえちゃんを連れて、夕暮れの円山公園を散歩。この公園の池には気になる鳥がいる。何の種類だろうと、前から疑問に思っていたのだが、それがつい最近、私の友人フォトコのブログ「気ままなPhoto Diary」で判明した。バリケンという名のその鳥をたえちゃんに教えてあげようと、出掛けて行ったのだ。
「わ~、変な鳥さんだね!」とはしゃぐ妖精があまりにもかわいくて、ぶさいくな容姿のバリケンの写真を撮り忘れた私。(鳥の写真はフォトコのブログで見てください)。
 「さあ、今度はもう少し右に寄ってこっちを(レンズを)見て」とか、「たえちゃんの後ろにあの花が入るようにしたいから向こうまで歩こうよ」などなど言って、シャッターを押しまくる幻の京都(竜安寺)案内人にうんざりした様子のニンフェットは、「まだ撮るの?」と、次第に不機嫌な表情に・・・・・
 あわてた私は視界の隅にあった売店を指差して、「アイスクリーム買ってあげようか?」と、まるで小さな女の子に言うような口調でやさしく問いかけた。
 なのにわがままな妖精は、 「ううん、今はいらない」と、冷たく答えて歩調を速めるのだった・・・・。

結論: Pepite 出番なし 

 
 

|

« Pepiteの美的な日々:アフタヌーンティー | トップページ | ワーグナーの毒 »

コメント

Pepiteさん こんばんは!(o^∀^o)ノ

竜安寺行ったことないんですけど実際に石庭見るとキレイなんでしょうね~!
せっかくPepiteさんの妖精さんとのお出かけに勉強されたのに出番なしで残念でしたね(^^;)
「アイスクリーム買ってあげようか?」って思わず笑っちゃいましたよ(笑)
今度お出かけされる時はちゃんと出番があるといいですね!

投稿: ファズ | 2006/09/19 21:14

ペピちゃん こんにちはぁ(^▽^)

ペピちゃんのお話通り、たえちゃんはとってもかわいくて知的そうな女の子ね♪それに引き換え…シャッターばかり押しまくり(※モデルは花の前に立たせる)、空回りするペピちゃんの姿が目に浮かびます(‐‐:)
女というのは写真ばかり撮られるのも、また、1枚も撮られないのも気に入らない生き物なのですっ!あんまりしつこくしてかわいい妖精さんに嫌われないよーに気をつけてよ!!(・O・)

投稿: mimi | 2006/09/20 14:54

あはは~見栄を張っちゃうところがとてもかわいいですね。見栄を張ってそれに見合うように勉強するって言うのもすごいと思いますよ。w

小柄で細身の女の子ってかわいいですよね。
思わず私もイイコ、イイコしたくなっちゃいます。

ガイドの話っていえば、思い出に残る話があります。
昔一人でヨーロッパを旅し、ドイツ、ミュンヘンにある宮殿を見学していたときのことです。

そこには国王ルードビッヒ一世が集めていたと言う世界中の美女の写真が飾られていて、その写真の中にローラ・モンテスと言う飛び切りの美女でセクシーな踊り子の写真がありました。
この女性が国王ルードビッヒ一世を虜にし、王朝の危機を招いたということで有名な女性です。
そんな美女の写真を一人眺めていると、そこに日本人のツワー御一向様が現れました。

ガイドがでかく野太い声でこの美女たちの写真の説明を始めました。
「国王ルードビッヒ一世は世界中から美女の写真を集め~」
「しかし、その中でも」
「一番のお気に入りは」
「あのローラ・モンテスと言う踊り子です」
と指差したとき、数十名の視線が、その写真ではなく、いっせいに私の顔に!!

ぎゃ~、一人写真を眺め回想に浸っていたのに、ぶち壊し~!!それにいっせいに大勢の人の注目の的になるのはとっても(* v v)。ハズイ。
それにとっても大迷惑な出来事でした。w

投稿: Diane | 2006/09/20 23:19

>ファズさん

こんばんは!
竜安寺はなかなかシックでいいところですよ。
是非訪れてみてください。
その際ガイドが必要ならば、私に声をかけてください(笑)
完璧なご案内をいたしましょう!
ファッちゃんのファンファーレ、最高ですね。
彼は歌がうまいよ。
テレビ番組に出演できるかも。


>mimi

コメントどうも。
たえちゃん、かわいいでしょう!
今度紹介しますね。きっと気に入りますよ。
カメラのアドバイス、ありがとう。
そういえば、前にmimiと兼六園へ行ったとき、
雪景色ばかり撮影し、あなたの写真を撮り忘れていた私に、
「なんなの、景色ばっかり撮って!」と、大変不機嫌になってたことを思い出しましたよ(笑)。
いつもは「はい、こっち向いて」とか言って、
mimiの写真を撮りすぎて嫌われる私ですが・・・
なるほど、よくわかりました。
ただ、「女というのは」という言葉がありますが、
私も一応、女であることをお忘れなく(爆笑)。


>Diane様

悲劇の京都旅行を読んでくださって、ありがとうございます。
この記事の妖精さんも映画が好きで、
私はイチオシでDiane様のサイトを紹介していますので、
たえちゃんが The Gothic のファンになることは間違いありません。
それにしても、Diane様のガイドにまつわる話も、
これまた爆笑ですね~!!
王様を虜にした美女の絵画の前にいて、
ツアー客の視線をいっせいに浴びるとは!
しかし、私としては嬉しいですよ。
そうやって、絶世の美女としてDiane様が紹介されたような感じで。
私ならきっと、Diane様の背後にある「ローラ・モンテス」とやらの踊り子より、
Diane様のほうに注目したでしょう!!


投稿: Pepite | 2006/09/21 22:34

竜安寺・・OL時代どうしてもみたくなって休みを
とってまいりましたの。
枯山水のよさは 後ろで団体さんがひしめいている
時”以外”じゃないと・・・ ですわよ!
今回はタイミングが悪かったとしかいいようが
ございませんわね。
次回は団体コースにはいっていない レアな
お庭にチャレンジなさってくださいな うふふ

投稿: dekako | 2006/09/22 14:25

>dekako様

こんばんは!
コメントありがとうございます。
そうですね、次回はレアな庭園を選択しますよ。
dekakoさんもまた京都を訪れてみようと思ったときには、
優秀なガイドの私をお誘いください。
それから、アンドロメダでは私の友人と仲良くしてくださいね(笑)。
ブログの復活を楽しみにしていますよ。

投稿: Pepite | 2006/09/22 22:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151358/11937638

この記事へのトラックバック一覧です: Pepiteの美的な日々:出番なし:

« Pepiteの美的な日々:アフタヌーンティー | トップページ | ワーグナーの毒 »